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「気管支鏡」とは?
肺や気管支など呼吸器の病気を診断するために、口または鼻からのどを通して気管支鏡(気管支ファイバースコープ)を気管や気管支の中に挿入して、内腔を観察したり、組織や細胞、分泌物などの検体を採取する検査です。
血痰、咳、喀痰検査でがん細胞を疑う所見がみられる場合、胸部レントゲン写真やCT写真で肺に異常陰影がみられ感染症、肺がんなどが疑われる場合などに行います。
気管支鏡検査のながれ
- 検査直前にのどの麻酔をします。
- ベッドに仰向けに寝ます。口または鼻から気管支鏡をのどを通して気管支まで挿入します。
口からの場合にはマウスピースを口にくわえ、鼻からの場合には鼻に局所麻酔薬を塗ります。 - 直径5mm程度までの気管支を観察し病変の有無を確認します。途中で咳が出る場合には気管支内へ局所麻酔薬を追加投与します。
- さらに、病変部を精密に確認したり、レントゲン透視を併用して細胞や組織を的確な部位から採取します。
生理食塩水を入れて洗浄することもあります。 - ファイバースコープを抜きとって検査を終了します。
注意点
- 検査前の一食は絶食となります。
- 検査の際には酸素を吸ったり、酸素濃度モニターや心電図モニターを装着することがあります。
- 検査中普通に息をすることはできますが、気管支鏡が声帯のすきまをとおり抜けるので声はでません。
- 危険ですので絶対にご自分で気管支鏡などの器械を触らないで下さい。
- 検査時間は通常20~30分程度ですが、検査、処置の内容によってはさらに時間を要する場合があります。
- のどの麻酔はすぐには切れません。検査後2時間は水や食物を摂らないようにしてください。
2時間がすぎたら最初は少量の水を飲んでむせないことを確かめてください。
合併症について
合併症には以下のものがあります。
- 麻酔薬によるアレルギーや中毒 (合併症発生率0~0.21%)
- 肺・気管支からの出血 (合併症発生率0~1.19%)
- 気胸 (合併症発生率0.01~0.62%)
- 発熱や肺炎 (合併症発生率0~0.46%)
- 喘息(合併症発生率0~0.19%)
- 呼吸困難(合併症発生率0~0.13%)
- 心筋梗塞、不整脈などの心血管系の障害(合併症発生率0~0.04%)
- 気管支閉塞(合併症発生率0~0.03%)
- 気管支穿孔(合併症発生率0~0.004%)
など
(日本呼吸器内視鏡学会ホームページより)