「サルコイドーシス」とは?
肺にサルコイド結節が存在する疾患ですが、肺門リンパ節や縦隔(じゅうかく)リンパ節にも同時にサルコイド結節が多く合併します。
サルコイドーシスは、肉芽腫という炎症細胞の蓄積がみられることが特徴です。
最初は片方の肺に生じますが、肉芽腫はリンパ節、両方の肺、そして肝臓や、眼、などにも形成されます。
まれに脾臓、腎臓、心臓、関節、骨、骨格筋、神経系にも形成されます。
肉芽腫はやがて完全になくなるか、瘢痕化した組織になります。
サルコイドーシスの原因
現在正確な発症原因はわかっていません。感染症もしくは免疫系の異常反応によって発症するのではないかと考えられています。
また、遺伝的な要素が重要という可能性もあります。
サルコイドーシスの症状
病変のある部位や範囲によって大きく異なります。
患者の約3分の1に、鈍い胸痛、全身のけん怠感、発熱、疲労感、関節痛、体重の減少などの症状がみられます。
サルコイドーシスは皮膚にも影響を及ぼし、すねの上に、ふくれて圧痛のある赤いしこりが出来て、発熱や関節痛を伴うこともあります。
また、患者の約70%は肝臓に肉芽腫がみられ、10%未満の患者で、肝臓が腫大します。
他には患者の15%で眼の異常がみられ、充血、痛み、視力低下が起こります。
狭心症や心不全、尿崩症、腎不全など、他の臓器への影響もみられます。
サルコイドーシスの診断
一般的には胸部レントゲン写真とCT写真、組織採取による検査、気管支鏡検査などです。
サルコイドーシスの治療方法
肺のサルコイドーシスは、3分の2近くが自然に改善するか完全に治ります。重篤な症状の場合は、ステロイド薬を投与して抑えます。
病態の慢性化や進行がみられるのは10〜30%です。
胸部のリンパ節腫大や広範囲の肺の炎症は、数カ月から数年で消失します。
4~7%の患者では、病初期に肺以外の心臓、神経系、眼、肝臓などに重い症状が現れます。