気管支喘息

「気管支喘息」とは?

「気管支喘息」とは?気管支喘息とは、アレルギー反応や細菌・ウイルス感染などが発端となった気管支の炎症が慢性化し、何かの刺激で腫れたり痰がでたりして狭くなり呼吸が苦しくなる慢性の病気です。
抗原の吸入、運動、感染、ストレスなどが喘息発作の引き金になります。

気管支喘息の原因

代表的なものとして感染説、アレルギー説、精神身体要因説、自律神経失調説、などがあります。
原因は明確にはなっていませんが、近年は喘息症状の原因は気道の炎症と考えられるようになりました。
最近の傾向としては、一時的に発作を止めるその場しのぎの治療よりも、慢性に存在する炎症を治療して発作を起こさせなくする、予防に重点を置いた治療へと変化してきています。
また、喘息を悪化させる要因として、飲酒、ストレス、ウイルス感染、激しい運動、があげられます。
激しい運動や飲酒は、肥満細胞から化学伝達物質を放出させやすくします。
気温の急激な低下や、季節の変わり目などの季節的な要因、たばこや線香など煙の吸入、女性では月経や妊娠なども喘息発作の誘因になります。

気管支喘息の症状

気管支喘息の症状多くは「ヒューヒュー」、「ゼーゼー」という喘鳴(ぜいめい)を認め、ひどくなると呼吸が苦しくて横になっていられない起坐〈きざ〉呼吸状態になります。咳や粘着性の強い吐き出しにくい痰も出ます。
症状の程度は患者さんの重症度や治療の状態によって様々で、慢性的な咳、痰だけの軽度の人もいます。
喘息発作は夜間から明け方にかけて起こることが多く、初めはのどがつまる感じがあり、やがて喘鳴がおこり、呼吸が苦しくなってきます。

気管支喘息の種類

喘息は、「アトピー型」と「非アトピー型」に分類されます。アトピーとは、ダニなどの空気中の環境抗原に対して、アレルギー抗体を産生する遺伝的な素因です。
アトピー型では、産生されたIgE抗体が肥満細胞上に結合しています。空気中の環境抗原が気道に吸入されると、肥満細胞上でⅠ型のアレルギー反応が起こり、肥満細胞から化学伝達物質が放出されて喘息反応がおこります。
非アトピー型では、環境抗原以外の原因で喘息が起きます。慢性の気道炎症があることや、気道過敏性が亢進することに関しては、アトピー型と非アトピー型では差がないと考えられています。

気管支喘息の治療方法

以前は気管支拡張薬の使用が治療の主体でしたが、前述のように喘息が慢性の気道炎症から起こることがわかり、最近は抗炎症作用が強く副作用の少ない吸入ステロイド薬が中心になってきています。
喘息治療のゴールは、副作用がない薬と量で喘息症状をなくして、日常生活に支障がないよう呼吸機能を正常に保つことです。
急におこる喘息発作を気管支拡張薬で抑えることも大切ですが、根治的観点から、ふだんから吸入ステロイド薬を中心とした治療をきちんと行い、炎症を改善して発作自体を起こさないようにすることが大切です。
また、喘息には精神的な要因も関係していることも多く、心身症としての側面もあります。
そこで、心身のリラックスを図る自律訓練法を中心とした精神療法なども行われています。