慢性呼吸不全

「慢性呼吸不全」とは?

「慢性呼吸不全」とは?肺の病気が進行すると、「大気中から酸素を体内に取り込み、体内で発生した二酸化炭素を大気中へ放出する」という肺本来の働きが出来なくなり、その結果二酸化炭素濃度が増加する「高二酸化炭素血症」や血液中の酸素濃度が低下する「低酸素血症」を生じてしまいます。
このような異常な状態を「呼吸不全」といい、このような状態が1ヶ月以上続くことを「慢性呼吸不全」といいます。

「高二酸化炭素血症」と「低酸素血症」の症状

「高二酸化炭素血症」は頭痛や振戦が起こり、「低酸素血症」は呼吸困難が起こります。

慢性呼吸不全を引き起こす肺の病気

「慢性呼吸不全を引き起こす肺の病気には慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核後遺症が主で、その他には間質性肺炎、気管支拡張症、肺がん、などがあります。

呼吸不全の診断

一般的には胸部レントゲン写真とCT写真、呼吸機能、血液検査などから総合的に判断します。

呼吸困難の重症度

フレッチャー・ヒュー・ジョーンズ分類

Ⅰ度
(正常)
同年齢の健常者と同様に仕事や、歩行や階段の昇降も出来る
Ⅱ度
(軽度呼吸困難)
平地は同年齢の健常者と同様に歩行できるが、坂や階段は健常者並には昇れない
Ⅲ度
(中等度呼吸困難)
平地でさえ健常者並に歩けないが、自分のペースなら1km以上歩ける
Ⅳ度
(高度呼吸困難)
休みながらでなければ50m以上歩けない
Ⅴ度
(重度呼吸困難)
会話や衣服の着脱にも息切れがする

治療方法

在宅酸素療法
在宅酸素療法HOT(Home Oxygen Therapy)HOT(Home Oxygen Therapy)と呼ばれるもので、自宅に設置した酸素供給器(酸素濃縮器や液体酸素タンク)から細長いチューブをとおして酸素を吸入します。
酸素療法とは、酸素不足、つまり低酸素血症に陥っている組織細胞に酸素を吸入し、組織細胞が正常に機能する酸素量に保ち低酸素状態を改善する方法です。
生存期間の延長、心臓への負担軽減、症状の緩和といった身体的な効果が第一ですが、安心感が得られたり、外出機会が増えたりといった心理的効果も得られます。
鼻マスク式陽圧換気法
鼻マスク(または鼻口マスク)を介して簡便な人工呼吸器を使用し呼吸を補助する方法です。
夜間睡眠中などを中心に使用します。 これにより夜間の炭酸ガス上昇を防ぎ、ひいては日中の炭酸ガス上昇を防ぐことが出来ます。
呼吸リハビリテーション
呼吸リハビリテーション上記治療方法治療で、血液の酸素や炭酸ガスの値が是正されるだけでは、日常生活が楽になるとは限りません。呼吸リハビリは、患者さんそれぞれの状態に応じて、生活動作を妨げている要因を評価して、そしてその結果に応じて対処します。